とらキチ

ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密のとらキチのレビュー・感想・評価

3.6
2017年のDCEUの「ワンダーウーマン」が公開されたちょっと後にアメリカで公開された作品。町山氏が「ワンダーウーマン」と一緒に紹介してて、日本公開を楽しみに待っていたが、結局されなかった。
“ワンダーウーマン”の産みの親で、嘘発見器の発明者でもあるウィリアム・M・マーストンの伝記物語。
原題が“Wonder Woman”ではなく“Wonder Women”な事がポイント。
初期のワンダーウーマンは、毎回彼女が鎖や縄で拘束されては、それを引きちぎって敵を倒すパターンの繰り返しだった。それは「自由を奪われた女性の立場」の表現であり、それが後に女性解放運動のシンボルへとなっていく。ワンダーウーマンのあの衣装やパラダイス島のアマゾン、真実のムチ(ロープ)にも意味がある。それは、当時の女性の置かれた境遇だったり産みの親の実績や性癖、趣味嗜好だったりする。
そんな女性解放運動のアイコン“ワンダーウーマン”の産みの親は、フェミニストでありながら、ボンテージや拘束プレイ、3Pが大好きな変態で、2人の女性と同時に結婚をし、それぞれ子供を2人づつ産ませて、一緒に暮らしていた。いわゆるポリアモリーだ。自分の欲動に忠実で、なんかいろいろな矛盾を孕んだ、そんな人だった。でも、それを貫いたというのには、1930年代という時代背景を考えても驚愕してしまう。
Are you normal ?
この言葉が、なんか妙に深く刺さってくる。そんな作品。
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