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ザ・ヒーローのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ザ・ヒーロー(2017年製作の映画)
3.5
【achieve】彼が成し遂げてきたこと --- 約半世紀にもわたって、いついかなるときも、西部劇のスピリット/良心を体現してきたサム・エリオットのべらぼうの素晴らしい演技が、本作を一見の価値あるかけがえのないものにしている。彼らしく渋くも自然体で抑制の効いた好演が全編を支え光る。皆で彼の並外れた偉業を讃えよう。しようと思って昨日今日とやすやすとできることじゃない、まさしく"功労"だ。身近にある人生の素晴らしさと、諦めないでもう一度自分の人生を全うするように生きてみること。慣れ親しんだストーリーの大枠や要素、テーマなんて氷山の一角で、本作にはもっと語りたいことがあるし、実際魅せられる。ブレッド・ヘイリーの温かな眼差しに美しく普遍的に力強い。友人兼ドラッグの売人役には相変わらずノリノリなニック・オファーマン、娘ルーシー役にはサム・エリオットと目元とか案外似ているクリステン・リッター(『ブレイキング・バッド』『ジェシカ・ジョーンズ』)。そこにYouTubeといった現代的な要素も。『ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男』もぜひとも足してくれ。本当に人間的格好良さが滲み出ているし、近年益々役者として脂が乗って輝きが増しているようにすら思える(つまりカウボーイハット被った脇役じゃない)。一貫して渋くてべらぼうに格好良くて気品すら感じさせる出で立ち、僕もこう歳を重ねていきたいです。もう一度また歩き始める、ゆっくりでも確かに。

「ローンスターバーベキューソースはチキンと相性抜群です」生涯功労賞 "Lifetime, yeah?" すい臓がん「映画を撮る」夢「記憶は人が二番目に失うもの。(一番目は)忘れた」ルーシー「Googleで働いてる」悲しい老人「ロウソクを両端から燃やすタイプ」「誇れる映画は一本だけだ。40年も前の」「永遠の命を与えられたよう」もしよければ何度でもぶつかって "archive" 「ダイアンに拍手を」もう一度
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