映画ケーン

悪童の映画ケーンのレビュー・感想・評価

悪童(2015年製作の映画)
2.6


これは、何を言いたいの??
なぜここまで評価が高いのか全く理解出来ない。



森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真の5人、北海道の演劇集団、TEAM NACSによる舞台。

舞台は取り壊しの決まった元レジャー施設「竜宮」のみ。
中学以来、27年ぶりに集まった卓球部5人。昔のたまり場としていた「竜宮」で、昔の楽しい思い出がアレコレと思い出してくる。しかし、その思い出はどんどんと形を変えていく…

まず、僕は舞台は全然分からないし興味ないので、所謂「舞台的」な表現に関しては間違った指摘をするかもしれないけど、悪しからず。

5人が集まり、昔の楽しい思い出に浸る。ここだけ取ると、「昔は良かった」「青春は素晴らしい!」みたいな、正直言って反吐が出る話になる(そういう映画も決して少なくない)。がしかしその後、それはひっくり返される。
自分達がとん平(劇中出てこない友達)をイジメていた事を思い出してくる。つまりは、「青春は素晴らしい!」って言っている人達に「いやいや、素晴らしいって言うけど、ぶっ殺したい奴はいたし、嫌な思い出もあるでしょ」とカウンターを喰らわせる物語になる。
いつまでも青春を引きずっている人は中高はモテたけど大人になってからは何も持っていない、掴んでいない人だから、そういう話は本当に嫌いなんだけど、どうやらそうではないらしい、と思ってまずは一安心。

途中まで、とん平はやけに薄っぺらい存在で、どんな人か良く分からない。青春の闇の部分の象徴って存在なのかと思った。だからあまり細かな性格とかは描かれず抽象的にしてるのだ、と。

だが!この話は、良い終わりをしようとしたのか、なぜか良い話に持っていく。とん平が実はイジメ(というより、いじられるの)を楽しんでいたと思い出す。つまり、結局は最後、全て丸く収まるのだ。
しかも、ラストは笑いで終わらせて、それが手紙って安易な形式で済ませるという、「ちょっともう少し考えてよ」としか思えない結末。

だから、結局の所何を言いたいのかが良く分からない。成長が全く描かれない。「俺たちは過去を捨てて前に進まなきゃいけない」って訳じゃないし(そもそもみんな過去を忘れてたから)。

そして、全てが会話劇で「思い出した!」型なのもどうかと思う。会話劇なのは、まあ良いとしても、「そういえば!」って全部後付けってのはあんま賢くないよな。映画で言うところの、回想が後からどんどんら付け加えられる感じ。伏線も何もない。多少は、確かに伏線って程でもないけど、前後が繋がったりがあるけど、決して上手くないんだよな。
「伏線回収が上手い」って感想あるけど、全く上手くない。全部後付け。

しかし、ウェットになり過ぎる所をギャグを要所要所に入れてバランスを取っている辺りは上手い。ただ、これは僕のわがままかもしれないけど、舞台演技だからってのもあるのかな、あまりギャグが面白くない。

何か、直しをしてないシナリオ感が凄い。
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