『Meantime』
サッチャー政権下のロンドン
不況により職を失い失業手当を受ける家族と高学歴で裕福な暮らしを送る家族との対比が絶妙にうまく描かれており、マークのイカれた友達として若かれしG.オールドマンが鬼才を発揮している。
父親譲りの揚げ足取りを持つ兄マークと知的障害がある弟コリンとその2人を取り巻く人物たち
物語は常に兄マークと弟コリンの両者の視点から描かれている。兄に焦点が当たる時は心の奥底で弟を気にかけている様子が伺えた。対して弟は自分のことで精一杯だがいつも側にいる兄の影響を受け、周りのことに意識しようとしている様に感じた
映画は冒頭からラストまで暗く陰湿で言葉の暴力の連続だが、その中にも”愛”を垣間見ることができた。ラストシーンの両親の反応はコリンを心配しての行いだったのかそれともただお金が欲しかったのか、、、
あんな家にいたら心が詰まりそうだ。唯一の救いの妹もコリンには伝わらなかったようだし家族関係も裕福だからといってうまくいくわけでもないみたいだ
社会経済システムがどうこうっていう問題を通り越してその基盤となる市民そしてその中の家族が根本的から壊れていっている様に感じた。ただ同じ屋根の下に住む他人のような関係だった。