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狂覗のののレビュー・感想・評価

狂覗(2017年製作の映画)
3.4
中学校内で教師が瀕死の状態で発見される。犯人の学生を見つけ出ろと責任は学年主任の科学教師へ丸投げされた。そこで体育の授業中に無人の教室で生徒の荷物の抜き打ち検査が行われる。ある種の「解剖」によって生徒の生態だけでなく、教師の生態まで丸裸にされていき……ミステリー・スリラー作品。

映像や音声でハードルを下げて軽い気持ちで見ていたら、最初から緻密に練り上げられていて真剣に見なかったことを少し後悔。
現在と過去のフラッシュバックが交差し、混ざり合う演出が独特で面白かった。
「狂覗」というタイトルからか、生徒たちの目を極力映さない画角が最後に効いてくるのも良い。

「人はなにかに没頭して初めて自分が何者か知ることができる」と口酸っぱく言う教師が熱心にすることが社会倫理に反した荷物検査というのが笑えない。
罪の意識に苛まれ、後悔した現在の答えとすれ違うフラッシュバックでの言動が辛い。
一人称視点で描かれるからこそ、身につまされる思いにさせられる。

個人的な感想だが、クライマックスにジャンプスケアできるシーンがあったのにワンテンポずらして小さめにSEを鳴らしたのは好ポイント。
できるからって詰め込まないのは英断。
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