Fitzcarraldo

少女ファニーと運命の旅のFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

少女ファニーと運命の旅(2016年製作の映画)
2.4
Fanny Ben-Amiの自伝を基に、映画監督Jacques Doillonの長女であるLola Doillonによる脚本監督作。

歴史的事実が常に映画の背景に覆い被さってくるので…ユダヤ人というだけでドキドキしてくるのだが…こちらが勝手に歴史的背景を加味して見ないと大した山場も見せ場もなくなってしまう。

ただ…この映画の設定が曖昧で、キチンとした説明もしないので、非常に分かりにくい。

フランスの国内の事情や、立ち位置が明確でない。自国のフランス人なら説明しなくとも、自明の理なんだろうけど…外国人にあたる我らが見たら、不親切とも云える。

特にフランスの警察がよく分からなかった。

子供たち一行が、警察に捕まったけど…
あの人たちは、ドイツに魂を売った人たちってことでいいのかな?執拗に本名を聞き出そうとしたり、飯抜きにしたり…

そして、外の掃き掃除をしていたおばちゃんに窓から声を掛けて助けてもらった一行だけど…

なぜ助けられたの?
え?警察は!?鍵はどうしたの?
ん?警察も公認で逃した?え?いや…

この辺も不親切。よく分からない。

あの赤の十字の腕章は赤十字の人たちだよね?

赤十字だから助けられたの?
どういう理由なのか?理屈が分からないけど…


赤十字なら、そこから逃げる必要なかったんじゃない?ご飯も食べさせてもらったのに…

ここから、なぜ逃げなきゃいけないのかの説明もない。とにかく逃げる。なぜ自分たちを、この人たちは助けてくれたんだろう?というリアクションもないし、その疑問もない。

この答え合わせをしてしまうと、恐らく逃げる必要がなくなってしまうから、そのままヌルッと逃げさせたんだろう…

こういうところこそ、工夫しがいがあるのだが…


○草原
追手の声が聞こえて、木の上に隠れる。
追手の声のボリューム的に、距離感めちゃ近いのに、木の上に全員登る時間ないと思うのだが…それに小さい子達は登れないだろ?

年長さんが先に登って、下から抱っこしてパス…
いや、無理だろ…背的にも…
大人の兵隊を、遥か上から見下ろしてる高さ。

これは年長さんでも登れないんじゃない?



可愛らしい子供たちを、ただただ愛でるように見つめるだけの作品に成り下がってしまった。
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