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BPM ビート・パー・ミニットのuliのレビュー・感想・評価

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闘うってわたしの思想と合わないと思ってたけど、理解とか共感ではたどり着けない場所があるのが実感として身に染みた。そうだよね、こうして誰かが闘って得てきたものの上にわたしは立ってるんだよね。
アクトアップは、今、こうやって運動してきて積み上げたものを他の運動でも使える知恵として提供する場にもなってるけど、その黎明期のエネルギーにちょっと触れた感じ。
アクトアップに注目してみると、すごくおもしろいし、お洒落で音楽も映像の撮り方も格好いいフランス映画だけど、ナタンとショーンの恋愛を見るのはしんどかった。
亡くなったシーンでオムツまできっちり見せるのがなんかもう「泣ける〜とか安易に言わせねーからな」という凄みを感じた。
亡くなったショーンの誰もいない部屋と、ショーンの死を政治的な死にするために話し合う活気ある部屋の対比が最高に寂しい。
死に立ち止まれないくらいの焦燥感というか。終わりのダンスシーンもそんな感じ。
見終わった後は呆然として立てなかった。
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