ゆうぴょん

BPM ビート・パー・ミニットのゆうぴょんのレビュー・感想・評価

3.0
 ドキュメンタリータッチで始まったけど、群像劇になり、ラブストーリーに変わっていったのが、何だか不思議な感じ。
 エイズという、ともすれば鳥瞰で、ひとまとめになってしまうような話題を、徐々に狭い視点で描いていき、ラブストーリーとして終わらせることによって、これは現実で個別性のある物語なのだと、コミットメントして考えるべきものだと、訴えられているような気がした。
 たしかにショーンは生きたし、ナタンはショーンを愛した。その温度が伝わってくるような画面だった。
 ふたりの初夜の最中に「ゴムがあると勃たない」と言うナタンに「かまわないよ」と優しく返したショーンが印象的だった。正直に言うナタンも、それを鷹揚さで受け止めるショーンも、すごく素敵だった。こんな優しいひと、そりゃ惚れるし、そのあと燃えるわな。
 なので、正直、最後は観てられないくらい辛かった。
 ただ個人的には、パートナーが亡くなった夜に他の人とSEXしちゃうのってどーなの?とか、元カレの話を嬉々とするのとか微妙な気持ちになるところもあったけど、まあ、主義主張のちがいということで。
 あと、やっぱり、性的なシーンが長いかも。それよりも二人の生活をもっと見せてほしかったと思った。
ゆうぴょん

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