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ジュピターズ・ムーンのryodanのレビュー・感想・評価

ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)
3.8
映像表現がとにかく面白い。話の内容はかなり雑。というか映像表現に負けてしまった感がある気がする。色調がやや暗めで、難民収容所や病院、主人公の自宅など、どこか近未来感があり、設定が現代ということを忘れてしまう。テーマが宗教染みてるというより、人知を超えた現象全てに形容できる言葉は「神」以外にないのだから。浮遊する彼がどうのこうのあるけど、冒頭の一節と照らし合わせて考えると、「ヨーロッパよ、難民を受け入れる度量があるか?」が最終的なテーマになるのだろう。最後に出て来る、あの子供が見る景色が、もし今私達が見ている景色と違うのならば、間違いなくそれは「奇跡」だ。それは人一人が「浮遊」したくらいでは変えられない。今作に登場した浅ましき全ての登場人物が課題そのものなのだから。
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