マーくんパパ

散り椿のマーくんパパのレビュー・感想・評価

散り椿(2018年製作の映画)
3.9
『剱岳点の記』の木村大作監督の時代劇、荘厳な自然を切り取った監督が撮影監督も務めた本作は遠くの雪山含めてとにかく景色が美しい。藩の不正を糾弾した為に国元を追われた新兵衛(岡田准一)と妻篠(麻生久美子)、病いで亡くなった妻の遺言はもう一度故郷の散り椿を代わりに見て来てほしいという事と新兵衛に嫁ぐ前は許嫁で新兵衛の友でもある采女(西島秀俊)を手助けしてほしいというもの。今でも利権を貪る城代家老(奥田瑛二)が待ち構える藩に危険を承知で戻る新兵衛…。1人の女を巡る男同士のわだかまりと悪への対峙の心の拮抗がしっかりと描き込まれている。岡田准一はつくづくいい俳優だと思う。根源的な人間の深さを表現出来る表情がいい。大きな表情の変化なく義兄に傾倒していく池松壮亮と美人じゃないけどしっとり可愛い黒木華の兄妹が名脇役で固めてる。これからは実家の散り椿見るとこの映画思い出しそう。