あかねちん

すばらしき映画音楽たちのあかねちんのレビュー・感想・評価

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)
3.9
改めて映画の音楽の素晴らしさを感じ、ハリウッド映画の映画音楽史を学べる作品だった。

ハリウッド映画を彩る映画音楽を手掛けた作曲家たちに焦点を当てた作品で映画音楽史を順に追いながら現役で活躍する作曲家や音楽プロデューサー、演奏者たちが語るドキュメンタリー。映画の裏側、特に映画の演出としても重要な役割を担う映画音楽について観れたのは面白かった。ただ内容はいろんな時代の映画音楽の説明などがあったりと深掘りしたりというよりかはざざっと映画音楽史と有名な作曲家たちを掻い摘んで紹介するような印象。

歴史部分では特にジョン・ウィリアムズとハンス・ジマー、トーマス・ニューマン、ダニー・エルフマントレント・レズナー&アッティカス・ロスと映画音楽の有名人たちが取り上げられておりその度に彼らの作った音楽が流れたのでその度に個人的にはテンションが上がった。それ以外にも『マッドマックス 怒りのデスロード』のトム・ホーケンバーグ、トレヴィー・ラヴィンなど蒼々たる作曲家ばかりが出ていた。ジョン・ウィリアムズが元ジャズピアニストだったりハンスジマーがシンセサイザーの演奏者していたりとそれぞれのいろんな経歴が知れたのも面白かった。

特に音楽が印象的なハリウッド大作系が出てくることが多くその作品ごとまたは作曲家ごとの手法や印象などについて語ってくれたため"なるほど〜"と思わせられることもいろいろあり、ヒッチコックの『サイコ』やジョン・ウィリアムズが作曲を手掛けた『ジョーズ』の説明は特に印象的。同じ音階を続けたり単音を繰り返したり映像や出てくる人物の感情を表すために様々な工夫が凝らされており関心しっぱなしだった。

また作曲家たちの制作中の様子も取り上げられておりきちんと〆切があり、また配給会社からは興行収入のプレッシャーをかけられたりと日本のサラリーマンと変わらないようなストレスを抱えながら制作しているのも知り、あんな壮大な音楽を作る人たちがなんだか身近に感じた。

この映画に出てきた映画を今度は音楽に注目しながら観たらまた新たな発見がいろいろできそうだなとおもった。
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