RuiAuden

ジョーのRuiAudenのレビュー・感想・評価

ジョー(1970年製作の映画)
4.5
大雑把に言えば、いわゆる帰還兵もの(『ローリング・サンダー』『地獄の謝肉祭』『コンバットショック ベトナム帰還兵残酷物語』※のちに『死神ランボー 皆殺しの戦場』へと改題、など)にも分類できる本作。『タクシードライバー』(この作品ももちろん帰還兵ものとして観ることができるが、個人的な見解としては、本質はそちらではないと見ている)ではベトナム帰還兵の主人公トラヴィスにアドバイスをする立場であったピーター・ボイルだが、この作品では自身が帰還兵を演じていて面白い。そして本作の監督G・アヴィルドセンは『ロッキー』があまりにも有名だが、彼のエピソードとして、当初『セルピコ』を監督する予定もあったというが、政治的な側面をフューチャーしたがったために製作サイドと対立して降板したというし、彼の本質や志向は本来はこういう方向にあるのかもしれない。ヒロインを演じた若かりし頃のスーザン・サランドンの美貌、そしてアメリカンニューシネマの流れを汲む暗澹たるラストも印象的。
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