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女と男の観覧車のmanacのレビュー・感想・評価

女と男の観覧車(2017年製作の映画)
2.5
お金持ちでもなくハンサムでもないけど、アル中から立ち直り、自分の連れ子の面倒もそれなりに見てくれ、釣りや野球観戦に誘ってくれる夫を持つ主人公ジニー。
自分の誕生日にはささやかなパーティーを開いてくれ、優しい言葉をかけてくれる夫にも全く満足できない。ひたすら本来自分はこんなところにいるべき人間ではないと信じ切って不満ばかり。
小学生ながらにして放火癖のある息子がいるって点を除けば、平凡で幸せな家庭だと思うんですけど、ジニーは納得いかない。おまけに、放火癖はかなり重大問題だと思うんですけど、どうもジニーは授業サボるとか成績が悪いとかイタズラが過ぎる程度のどこの家庭でも抱えているような子育ての問題の一つに過ぎない程度に捉えている節が見られるのも、ジニーの怖いところ。
フローベールの『ボヴァリー夫人』を思い起こさせる愚かなジニーをケイト・ウィンスレッドが熱演。

とにかくジニーの癇癪が凄い。
相手が少しでも自分が望んだこと言わないと瞬時に豹変しヒステリックに喚き散らす。
ウィンスレットは特別好きな女優ではなかったけれど、この病的なヒステリー女にすっかりなりきった演技には驚かされた。女優って凄い。後半うっとおしい女を通り越して怖かったです。

物語はアレン監督らしいというのかな、独特の雰囲気のある映画で好き嫌いが分かれそう。
登場人物がペラペラペラペラとよく喋るのもアレンらしいと取るか、鬱陶しいととるか。
アレン好きには面白いかもしれませんが、そうでないと、なんか騒々しく過ぎていって最後訳わかんないなで終わってしまうかも。
私は可もなく不可もなくと思いました。
コメディにしてくれた方が面白かったな。
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