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累 かさねのプライアのネタバレレビュー・内容・結末

累 かさね(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

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顔に大きな切り傷を持ち、劣等感でコミュ障な女の子・累。
性格も演技能力も最低だが、ルックスだけ最高の女優の卵・ニナ。

ニナには持病があり、女優業をしばらく休むことにした。
累は死んだ母(大女優)から譲り受けた口紅を持ってた。
それをつけてキスすると、相手と12時間だけ顔が入れ替わる。

ということで累がニナの顔になって舞台のオーディションを受ける。
自分以外の何物かになりたい衝動の強い累は憑依型の演技力で合格。
やがて演出家と恋に落ちるが、ニナもその人が好きだった・・・。


ニナは性格が最悪で、累にニナとして稽古等全部やらせ、
演出家とのデートは見破って、自分が代わりに行ったりする。
そんな折にニナは持病の発作で5か月間意識を失った。

その間も累がシモの世話までしてニナを丁寧に扱ってた。
そして毎日顔を奪い、大女優への道を邁進してた。

やがて累とニナは、累の母親も他人の顔を奪ってたことを知る。
被害者を長年監禁し、毎日その顔を奪い続けてたのだった。
それを知ったニナは怖くなり、累と関わるのをやめて追い出す。


しかし累はこの頃には闇落ちしてた。
ニナに薬を盛り、また長期間意識不明の状態にしたのだった。
そしてついに大舞台に立つこととなる。

しかしニナは実は目覚めてた。でも意識のないフリを続けた。
そして口紅を密かにすり替えたり復讐を試みるが、
そこは累が先読みしてさらにすり替えたりでセーフ。

そんなこんなで累は大舞台を演じ切る。
ニナは死にたがるが、累はニナを生かさず殺さず、
一生毎日顔を奪い続けて生きていく決意を固めるのだった。
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気になってたけど都合が合わず、劇場で見られなかった作品。

設定は非現実的だが、人の心の機微は現実にありそうな話。
累もニナもかなり利己的だが、おれは累の方が好きやな。

抑圧され続けた衝動がそういう行動を引き起こすのだろう。
一方、ニナのは完全に性格が悪くて上から目線なだけやもんな。

そんなニナが累に、お前みたく心は腐ってないとか言い放つ。
「お前が言うなよ」ってツッコむ所なんよね?あそこは。

あとオチは必ず累の本当の顔が世間にバレて終わると思ってた。
でもそのまま終わるとは。まあこういうのもアリかな。

しかしこういう人格入れ替わりの映画ってややこしいよね。
どっちがどっちか分からんくなる。演じてる人も混乱せんの?
そのへんは2人とも、よく演じ分けられてたと思う。
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