Kota

ある女流作家の罪と罰のKotaのレビュー・感想・評価

ある女流作家の罪と罰(2018年製作の映画)
3.7
“それでも、一番誇りの持てる仕事だった。”

メリッサ・マッカーシーがアカデミー主演女優賞にノミネートってどゆことやと思って鑑賞したけと、確かにほぼすっぴんのメリッサに凄く味があって良かった。実在の作家リー・イスライルが著名人の直筆の手紙を模倣して売りさばいていたという実話を、本人が自分の伝記として出版した「Can you ever forgive me?」を映画化したもの。

彼女の人生そのものの様に、メリッサの顔へのフォーカスは何度もボヤけた。気丈に振る舞い所構わず罵倒を飛ばす彼女の裏にある優しさや寂しさが染み出して、何故か心が温まる。大きなどんでん返しもないけれど、彼女が生きた小さな証が、例えそれが詐欺であってもこの世に確かに残っている。彼女が作家であるだけありセリフは詩のようにウィットに富んでいるから、そこも楽しめる要素の一つ。最後の手紙が最高だったな。
Kota

Kota