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リーサルミッションのtheocatsのレビュー・感想・評価

リーサルミッション(2013年製作の映画)
3.3
9.11以後の米国中東軍事強硬策に対する強烈な皮肉。

イラク駐留米軍基地に慰問の為訪れた当時の米大統領Gブッシュ(映画内では架空の存在らしい)を、こともあろうに米軍特殊部隊員が拉致監禁し、兵士のたまりにたまった不満・鬱屈の限りを吐き捨てる。
しかし、最終的には大統領は救出され(という言い方も違うが)、何らの影響も及ぼせないよう有耶無耶にされる。

映画としてはC級的だが、特筆すべきは拉致監禁される大統領がGブッシュ以外にありえないという明示性が持ちながら、拉致監禁、拷問をしながら激しい糾弾を浴びせる映画を作り公開できたこと。

ブッシュに対して同様の反感を抱いていた人間たちにとってはある程度溜飲が下がる内容かもしれないが、結局は兵士全員死亡、大統領のみ生き残り開き直った会見をさせているところに製作陣のバランス感覚が伺える。大統領を殺してしまっては低次元の復讐にしかならないというわけだろう。
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