紅梅シュプレヒコール

トップガン マーヴェリックの紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

4.2
世間を騒がした流行の波から大きく遅れて遂に『トップ・ガン:マーヴェリック』を鑑賞しました

単体で完結している『トップ・ガン』の続編に期待を寄せる人は少なかったでしょうし、近年のハリウッドによる商業主義的な手当たり次第のフランチャイズ化にも良い印象はなく、「トップ・ガン2?蛇足でしょ」と公開前は鼻で笑っていた人もいたのではないでしょうか

しかし、蓋を開けてみれば1作目へのリスペクト、進化した映像技術、そして年月を経たからこそ描くことのできた熱い展開が詰まった至極の続編となっていました

物語の本筋は絶体絶命なミッションを成功させるべく、教官の任についたマーヴェリックが生徒を指導をすることになるのだが、生徒の中には嘗ての友人グースの息子ルースターがいて‥というものになっている

ルースターを演じるマイルズ・テラーの容姿が、グースのコスプレみたいになっていて思わず笑みが溢れましたが、腕はあるが成長の途上にある青年を好演していました(『セッション』もでしたが、扱かれる役が似合ってますね)

主演のトム・クルーズの老いはしたものの若者にはまだまだ負けませんよと胸を張っている姿も輝いており、彼の活躍は見ていて楽しいものになっています(『バトルシップ』『パシフィック・リム』のように老練な者達や機体が活躍するのは無条件に胸が熱くなる)

『スター・ウォーズ』のトレンチランを彷彿とさせるミッションシーンも見応えがありますし、ミッション達成後にも「帰るまでが遠足ですよ」という様に迫力満点のドッグファイトが展開されるのは最高

2022年コロナ禍で鬱屈していた時期に、今作の持つ爽快感が清涼剤となって人々の気持ちを救ったことは間違いない