masaya

さよならの朝に約束の花をかざろうのmasayaのレビュー・感想・評価

4.2
岡田麿里初監督作品、劇場では初鑑賞。壮大なファンタジー世界を単なる借景とせずストーリーテリングの推進力とする脚本の強かさ、分かっていても泣かされてしまう終盤の畳み掛けの破壊力。間違いなく全人類観るべき傑作で、来週からの監督新作の期待値のハードルをガンガン上げていく。

架空の世界、架空の種族を描きながら、語られるのはあくまで個人の感情でありそのやり取り。ディティルの甘さが即命取りになりそうなこの語り口を、設定で丹念にリアリティを積み重ねることによって観る側に生まれる共感がある。

考えてみれば2人の少女が社会に出て母になり、そして母ではなくなるというシンプルな筋なのだけど、それをこんなに豊かに肉付けして来るわけでその剛腕ぷりに感服してしまう。血縁が全てではないし、血の繋がりに縋る生もある。どちらにも説得力がある
masaya

masaya