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ラヴァーズ・キスの堊のレビュー・感想・評価

ラヴァーズ・キス(2002年製作の映画)
1.5
グランドホテル形式を期待させる長回しや、冒頭の屋上で話す主人公たちの頭上を飛び回るカメラを見たらわずかでも期待してしまうが、そうした我々を裏切るどころか最初からドラマの構築など目指していなかったのだと言わんばかりの言葉による「ドラマ」は続く。なるほど、『海街diary』と接続されもする吉田秋生のいささか叙情的すぎるとも言えなくもない原作をゴイステとB-DASHで彩られた若手俳優の博覧会的なものに仕立て上げたコンセプトも当時としては失敗とは呼べなかったかもしれないが、やはりゼロ年代懐メロ以上のものにはなっていない。だが、それでも、15歳の宮崎あおいが市川実日子の頬にキスする映像がある、と言われれば……。
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