窃盗罪の刑期間が終わり出所した主人公の男は、大物マフィアから宝飾店が立ち並ぶハットンガーデンの貸金庫を破り金品を盗み出してほしいという依頼を受ける。強盗のために集められたメンバーはベテランだがみな平均年齢が60歳以上の老人たちだった。
2015年に実際にイギリスのハットンガーデンで起きた事件を元にしたクライムコメディ作品。
強盗をテーマにした本作だが、犯罪行為を行なっている際の派手さやアクション的要素はそれほど無く、むしろ登場人物の会話がベースとなってストーリーが進んでいった印象があった。かえってそれが本作の空気感を決定づけていると言ってもよく、イギリス特有のユーモアセンスを楽しむことができた。
ハットンガーデンの事件をテーマにした作品は本作以外にも、マイケル・ケインら出演の『キング・オブ・シーヴス』などがあり、それらと本作を比較してみるのも面白い試みだと感じた。
イギリス的ユーモアセンスを楽しみながら観ることのできる作品だった。