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少女は夜明けに夢をみる/ 夜明けの夢のhynonのレビュー・感想・評価

3.4
殺人や盗難など様々な犯罪を犯し、イランの更生施設に収容された少女たちを描いたドキュメンタリー。

こうした少女たちの背景には、家庭や国家レベルでの根深い問題があり、犯罪を犯さざるを得なかった事情がある。

だからといって犯罪が容認されるべきではないし、他の国でも日本でもこのような少女たちはいるに違いないし、こういう現状を突きつけられて、いったい何と言ったらよいのか。何ができるのか。わからない。
心が痛むだとか可哀想だとか言っても、安易で表面的な言葉に思えてしまう。

祈りも信仰も、彼女たちを救ってはくれない。施設を訪れて彼女たちを諭す聖職者の言葉が虚しく響く。

題材はよいのに。
なぜだろう、いまひとつ心に深く響いてこなかったのは。
少女たちへのインタビューと施設内での日常生活を織り交ぜただけの、シンプルで単調な構成のせいかもしれない。

使うシーンのピックアップだったり、インタビューの質問内容だったり、この監督のアプローチがあまり好きではない、と感じた。
ドキュメンタリーなのに、なんとなくフィクションぽさや作為的なものを感じさせる。

ドキュメンタリーらしくないカメラの使い方はおもしろかったと思う。
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