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ライオンは今夜死ぬのかずシネマのレビュー・感想・評価

ライオンは今夜死ぬ(2017年製作の映画)
3.5
オープニングのクレジットのフォントや色み、出し方がレトロ。
ロケ地がとても綺麗。
監督の場合はこの作品だけでないが、どうしてフランスで?と思ったけれど、この色みは日本にはないわ。

合わせ鏡が常に部屋にあるのってあまり良くないと聞くね。
子供達が出て行って彼女が出て来た場面で、画面の色みが少し変わるのが良い。

死は出会い。出会いの為の70歳から80歳までは人生で最も重要な時。1番楽しい時。
という様な台詞が目から鱗だった。
また同時に、経験した事がない事を自分の中から引き出したり、誰かに尋ねて吸収したり、どうにかして演じて、作品を作り上げるというのは本当に大変な事だと思った。
死は経験してしまえばもう演じる事ができないしな…。
そして、この人ですら「何者にもなれなかった」と言うなら、逆に何者かになれる(た)人って何なのだろう、と思う。

撮影したいなら許可を取れと大人に言われたのに取らず、自分達が悪いのに、頭がヘンとか林檎を投げられたとか被害者ヅラするクソガキどもがヤベェw
だからどうなる事かと思ったけど、打ち解けて一緒に食事をとっているシーンが好きだなぁ。
君たちは映画を楽しんでいる、大切だよと称賛したり。終いにはロケに出かけたり。

生と死、人生が1番楽しい時期の2つの世代、妄想と現実、演技と素、全て対比の作品でもあったのだと思う。
夢の様な、いつの間にか記憶の奥にいってしまった体験を思い起こさせる様な、そんな雰囲気の作品だった。
何かの節目だと感じた時に鑑賞するのに向いている気もする。
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