けんくり

サンズ・オブ・ザ・デッドのけんくりのレビュー・感想・評価

サンズ・オブ・ザ・デッド(2016年製作の映画)
4.0
なんか『鬼滅の刃』みたいなゾンビ映画(人間を食べる存在とそれを守る人間のロードムービーという意味で)。

ビッチな主人公と彼女を執拗に追いかけるストーカーゾンビくん。1対1の荒野における「vs」関係が、いつしか奇妙な「with」の関係に転換していく。

観客の目線からも、徐々にゾンビくんが可愛く見えてくるのが不思議。その感情移入には、主人公のバックグラウンドに根差したちゃんとした理由があって、きちんと物語として整理されているのが秀逸。

そう、ゾンビ映画だけど主軸はホラーにあらず、『私に会うまでの1600キロ』『奇跡の2000マイル』のような、女性が(ほぼ1人で)荒野を旅することによって内省し、成長していくヒューマンドラマ。

とはいえホラー的要素としても、ゾンビが出てくるシーンはちゃんと怖かったりするし、主人公とゾンビくんの掛け合いはコミカルで、終盤は思わず感動してしまったり、一本で色々な感情を味わえる佳作。

オススメです。