あもすけ

レザーフェイス―悪魔のいけにえのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

善悪ぶっちぎって己の道理に突っ走る線の勢いがみんな凄くて、ぶん回されながらも次第に軸が集約されていく。よそ者の言葉に惑わされるな、母親のそんな言葉こそ惑わすノイズというギリギリの状況から、そうなるの知ってるし、だってそういう映画だし、と哀しい気持ちで彼の追いかけるのを見ていた。

ひとつの作品としてすごく好きだし、このふたりの監督作としてもトビー・フーパーちゃんと関わっていることも悪魔のいけにえシリーズのひとつとしても愛おしいくらいに好きと思えて、だけど前日譚として受け止めるのは全然納得できなかった。むしろミスリード誘う要素として原典が活きてるぐらいのことをアリとしてる感じが私の思うトビー・フーパーだしホラー映画だしとても尊いことと思った。

殺害シーンの拘りもよかった。方法を捻り出してる感じがしなくて、心情が直に表れているような暴力性がそれぞれにばっちり嵌っているみたく感じた。執拗に叩きつけるのも、一撃で撃ち抜くのも、何故そうなったかを思うごとに物語に深入りしていく感覚があった。それこそ豚の餌にするところから母親のジェドへの言葉に繋がってく感じとか、象徴的だった。だからチェーンソーでじっくり切り刻む場面にも、ひと振りで終わらせることにも、ジェドの気持ちに添って感情揺さぶられたのだと思う。

そして忘れられない驚愕の場面、そんなところに隠れてたなんて私なら川に辿りつく前に中で吐くわ……
あもすけ

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