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モリーズ・ゲームのYYamadaのレビュー・感想・評価

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)
3.6
【実話に基づく傑作映画たち】
 ~事実は小説より奇なり

◆ベースとなった史実
〈セレブ御用達闇カジノの経営〉
  ~ポーカー・クラブ摘発 / 2014年
・場所: アメリカ/ニューヨーク
・人物: モリー・ブルーム

〈見処〉
①原作の「その後」も描く、
 闇カジノの実態
・『モリーズ・ゲーム』は、2017年に製作された伝記映画。『ソーシャル・ネットワーク』『マネーボール』のトップ脚本家アーロン・ソーキンの監督デビュー作。
・本作の主人公、モリー・ブルームはソルトレイクシティ五輪出場が有望視されていたモーグル選手であったが、中の怪我でアスリートの道を断念。
・ロースクール進学を前に、1年間の休暇でロサンゼルスにやってきたモリー(ジェシカ・チャステイン)は、バイトで知り合った人脈から、ハリウッドセレブが法外な掛け金を興じる闇ポーカーのアシスタントをすることになる。
・その才覚から若くして自身のゲームルームを開設するモリーだったが、その10年後にFBIに逮捕されてしまう。モリーを担当する弁護士ジャフィー (イドリス・エルバ)は、打ち合わせを重ねるうちに彼女の意外な素顔を知る…。(eiga.comより抜粋)
・本作はモリー・ブルームが2014年に出版した自叙伝『Molly's Game: From Hollywood's Elite to Wall Street's Billionaire Boys Club, My High-Stakes Adventure in the World of Underground Poker』を基としながら、原作には含まれない、その後の裁判の行方までを描く快作である。

②「プレイヤーX」は誰か?
・序盤~中盤にかけて、モリーがLAにて経営する闇ポーカークラブの上得意客「プレイヤーX」。本作では「スーパーヒーローを演じている…」と示唆されていた人物は、原作でも実名で登場するトビー・マグワイアだとする説が有力。
・マグワイアは、闇ポーカーで賭け金4000万ドルを得たと言われ、原作が出版された2014年の『完全なるチェックメイト』出演以来、俳優活動は一時停止中。
・また、2011年には30万ドル以上の賭け金を取られたとする男性から訴訟を起こされたり、当時のユニバーサル映画CEOの娘であった妻と離婚したり(2016)と、本作で描かれていた騒動が少なからず影響していると考えられる。ぜひ、噂されるMCU『スパイダーマン3』での復活を期待したい。
・なお、マグワイア以外のモリーの顧客は、ベン・アフレック、レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、マコーレー・カルキン、アレックス・ロドリゲス、ピート・サンプラスなどが参加していたとの複数報道記事が容易に見つけられる。

③結び…本作の見処は?
○: 2時間を超える作品であるが、アーロン・ソーキンによる超ハイテンポな演出にて、集中力が切れることなく鑑賞出来る。
○: 3つの時系列が並行して描かれているが、混乱することない脚本はさすがの出来。
○: 自信の塊のモリーを演じるジェシカ・チャステイン。彼女の持つイメージとおりの素晴らしいキャスティング。
▲: 結局、モリーは、どのような重罪を犯したのか?終盤までモヤモヤが残る。
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