アズマロルヴァケル

ダブル/フェイスのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

ダブル/フェイス(2017年製作の映画)
4.0
「未体験ゾーンの映画たち2018」上映作品

2018年度版ニコラス・ケイジ詐欺映画

ケイティは里親育ちで、元夫から逃げるために娘のマディを抱えて殺害。そのままモーガン一家の近くに行き、モーテルで暮らすようになった。
モーガン一家の妻アンジェラは娘のコーラと外出していると度々ケイティと会うので息も合うのでいい友人関係になり、
お世話になっているトレーナーのリンダと共に親しくなっていった。夫がケイティを友人として歓迎し、祖母が怪しむなかで、ケイティが仕事の都合でモーテルから出てコロラドに引っ越そうと言うので気を察してアンジェラは家のゲストハウスをケイティが借りて住まわせることに。一方アンジェラは夫が大家族を望んでいたこともあり息子を出産したかったものの流産してしまったので代理出産というかたちで当初はリンダにお願いしていたのであったのだが、リンダの同性愛の関係だったケイティが卵子提供者(コーラはケイティの卵子から出産?)という立場という歪んだ母性愛からリンダを殺して事故にして隠蔽すると、ケイティはアンジェラの代理母になってコーラやマディ、そしてケイティのお腹の子さえも自分のものにしようとする。


内容をざっと書きましたが、ニコラス・ケイジは脇役で、本当は卵子提供者という立場でモーガン一家に接近したケイティ(本名:タラ?)とそれを止めようとしたアンジェラの話で、劇場公開が発表されたときにもう分かったのですが完全にジーナ・ガーションが主演じゃないかと思いましたよ。ジャケットの「2人の女、2つの顔」というのも嘘でした。

とはいえ、ニッキー・ウィーラン扮するケイティの手口がなんというか・・・どんな手段でも子供が欲しい「招かれざる隣人」のテレサとジョン夫婦と違って何をしでかすか分からない女性の狂気というのが滲み出ていて、特にトップレスでプールを泳ぐシーンなんかなかなか謎めいていて嫌な予感が出ていたり、リンダを殺す前に下着姿になってコーラは私のものと言ってるところとかもぎとぎととした心理的な怖さが味わえましたね。おまけにアンジェラの夫に協力してアンジェラにサプライズするところとかまるであたかもサプライズする前にアンジェラに睡眠薬を飲ませたことすらサプライズの一部のような嫌な手口といいますか・・・

ただ、内容がきつかったのですがラストが「スカッとジャパン」を彷彿とさせるスカッとしたハッピーエンドだったので救いがありました。アンジェラが死んだのかなぁってなったときはどうなることやらと思いましたが、救いのあるラストで本当に観てて良かったと思いましたよ。

苦言を言えばせっかく前半で夫の祖母がケイティを警戒したのに後半では祖母が物語に絡んで来なかったのが惜しいです。逆にモーガン夫婦の同僚バリーが登場するので責めて後半でなんで祖母が出ないんだとちょっと寂しくはなりました。

ニコラス・ケイジがあくまでも主演ではありませんが、良くも悪くも良作だった映画でした。