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巴里の空の下セーヌは流れるのkojikojiのレビュー・感想・評価

3.7
我が街の古い眼鏡屋のテレビCMで流れるのがこの映画の主題歌「パリの空の下」。
小さい頃から慣れ親しんだこの曲は最初に聞いたシャンソンに違いない。小さい頃はこの曲のイメージでパリの街を夢想していた。
この曲が主題歌なのだからこの曲の雰囲気の映画と思って観ていたらとんでもなかった。単なる群像劇ではなかった。全く想定外でちょっとショックを受けた。

パリを流れるセーヌ河を中心舞台に、パリに住む人達が織りなす様々な人生模様をエピソードで綴った作品。しかし、こんな街にも、とんでもない奴が住んでいて、彼のエピソードがサスペンス要素を持ち込む。

医師を目指す若者に恋する女性マリエ(クリスティーヌ・レニエル)。
彼女を頼って恋人に会いに巴里へ出てきた娘ドゥニーズ(ブリジット・オペール)。
精神をやむ彫刻家マチアス。
子猫をかう貧しい老女。
テストの結果が悪くて家に帰れなくなった少女。銀婚式の日に工場のストライキのために工場に立て篭もらざるを得なくなった労働者の家族。
これらの人々のそれぞれのエピソードが、クライマックスでは交差してくる。最初の方で嫌な予感がしていたのだが、案の定だった。この盛り上がりはやはり上手い演出と言わざるをえない。

女性の化粧が流石に戦前の映画に比べて現代風になっていて違和感がなくなっている。
当時パリのがいろんな角度から見れて楽しい。観光案内にもなっただろう。 

この映画は面白いと思う。
それにしても、このジャケ写は酷い。観る人を2割減にしていますよFilmarksさん。

監督・脚本はジュリアン・デュヴィヴィエ
脚本はルネ・ルフェーヴル
台詞はルフェーヴルが台詞
「バラ色の人生」のフランソワ・ペリエがこの解説を口述する。
撮影はニコラ・エイエ、
音楽は「宝石館」のジャン・ヴィーネ
主題歌となるのは『巴里の空の下』


#1936 2023年 466本目
1951年 フランス🇫🇷映画
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