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ジェラルドのゲームのkuuのレビュー・感想・評価

ジェラルドのゲーム(2017年製作の映画)
3.7
『ジェラルドのゲーム』
原題 Gerald's Game.
製作年 2017年。上映時間 103分。
マイク・フラナガン監督が、スティーブン・キングの同名小説を実写映画化したシチュエーションスリラー。
主人公ジェシーをカーラ・グギーノ、夫ジェラルドをブルース・グリーンウッドが演じる。

マンネリの性生活を打開するべく、人里離れた湖畔の別荘にやって来た中年夫婦ジェラルドとジェシー。
刺激を求めるジェラルドは、ジェシーの両手を手錠でベッドに拘束する。
しかしその後、ジェラルドは心臓発作を起こして絶命し、ジェシーは身体の自由を奪われたまま取り残されてしまう。
さらに部屋の中に野犬が入り込み、ジェラルドの遺体を貪り始める。
ジェシーは命の危険にさらされる中で、奇妙な幻覚を見るようになり。。。

今作品は退屈で淡白、そして、微妙に的を外していて、機会を逸しているのは否めない。 
しかし、原作者スティーブン・キングはホラー作家ではなく、登場人物と彼らが経験する非日常的な出来事、そして、最も重要なのは、人々がこの地上での生涯で耐える深い感情の経験について書く作家と云える。
確かに、彼はダークな要素を取り入れる傾向があり、中には本当に不気味で恐ろしいものもあるんやけど、これは彼をホラー作家にしてしまうものじゃない。
青春ドラマ『スタンド・バイ・ミー』でさえキング流の毒っ気が、小さな棘となって心に残る。
ホラー映画を期待した人は、がっかりするやろし、退屈する可能性は十分ある。
しかし、個人的には意外にも釘付けになってました。
マイク・フラナガンがこの映画化で行ったことは簡単なことではない。
彼は、主人公のジェシーが直面する緊張の中で、精神的な葛藤や分裂した精神を釘付けにしている。
また、キングの物語の核心である、大人になった彼女が置かれた現在の状況ではなく、現在の状況が発生するまで本当に知る由もなかった、彼女の人生につきまとう過去の秘密や亡霊に対処することを、彼は見事に表現していると思います。
物語は、痛み、苦しみ、秘密、(複数の人々による複数のレベルでの)虐待、そしてただ生き残るだけでなく、可能であれば癒し、成長するための闘争を描いた巧みなお話でした。
今作品は、キングの物語の核心を捉え、巧みに描かれており、多くのシーンが同じように視覚的に素晴らしいものとなっています。
ブルース・グリーンウッドとカーラ・グギノは善き演技を見せてました。
ヘンリー・トーマスも同様に、ふさわしいグロさでした。
キアラ・アウレリアが演じた若いジェシーも、ニュアンスのある優しさと心の傷をきっちり表現してた。
カレル・ストロイケンが登場する多くの作品群が非常に不気味だと感じている一人なので、それだけで不気味やったし満足。
カレル・ストロイケンは自分の弱さを強さに変えて生きる姿も美しく見えるときがある。
何度も見ることはないやろけど良くできた作品やと思いました。
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