Kana

コレクター 暴かれたナチスの真実のKanaのレビュー・感想・評価

2.0
罪を犯した人間は、裁かれなくてはならないというお話。

こういった映画が、作品として面白いかどうかはちょっと難しい。
でも、何年経っても、何十年経っても、罪が消えることはないということ。
主人公は繰り返し言った。
「僕の仕事は報道、捕まえるのは検察の仕事。」
私たちが歴史に興味を持って、こうした作品に触れることで、その想いを少しは継ぐことができると思う。

戦争は一瞬で日常を地獄に陥れる。
何の犠牲もなく平和を享受している私たちには、想像もつかないような強く卑劣な力で。
戦争が起きれば、誰もが加害者にも被害者にもなりうる。
だから戦時中の殺人が、個人の罪であるのかはよくわからない。
真実は人の数だけあり、それぞれの人生に物語がある。
それでも、罪を犯した人間を許してはいけないのは、罪を許さない世の中を保つことで、より大きな罪に巻き込まれることを防げるから。
私たちの日常とは関係の薄い、世界のどこかで起きている戦争を許してはいけないのも同じこと。
巨悪に怯えずに生きていける世界であって欲しいと願うから。
ただ、メンテンが起こした事件が、戦争によるものなのか、戦争を利用した欲望に飲まれたものの所業であるものなのかはわからなかった。
Kana

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