ふじこ

サイゴン・クチュールのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

サイゴン・クチュール(2017年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

60年代、9代続く老舗のアオザイ仕立て屋の娘ニュイ。
流行の最先端のファッションに身を包みアオザイなんて古いものに興味はないし継ぐ気もない。
ミス・サイゴンに選ばれたことを鼻に掛け、自分でデザインした服を売り込みに行くも選ばれたのはアオザイで益々面白くない。母親は店を継いで欲しいが、その気もないくせに店の布を勝手に使い、従業員もメイド扱い。
そんな自分勝手で嫌な奴であるニュイは母親が仕立てた家宝の翡翠を施されたアオザイを着た途端に、2017年にタイムスリップ。
自分の家であり店であったはずのそこはとっくに寂れて潰れており、年老いた自分が酒浸りとなっていた…ってお話。

最初はこの女、めちゃくちゃ性格悪いなぁ~って思っていたのだけれど、そのまま終わらなくて良かった。王道的に現代で努力を重ねてアオザイはダサくない、素晴らしい文化だったと気付く。
酒に溺れ、何もかも諦めていた未来の自分もまた過去の自分と文字通り対峙して意識を変えていく。
一番いい人だったのが、過去のお店で母の下で働いていた女性。性格も優しく、真面目に働いていた女性が未来では店を継いでいたのだけれども、やってきたばかりの傲慢なままのニュイを見抜いて娘の会社に修行に出させ、未来のニュイがアオザイ作りを教えて欲しいと乞いに来た時には、わたしはただ店を預かっていただけ と快く教えてくれる。めっちゃいい人…。

反面、なんだかんだと母親が甘やかしまくった結果の過去のニュイだと思うんだけど、母親は結局ニュイに見切りをつけて真面目な方の女性に継がせたんだなぁと思っていたら、いつか娘が改心するまでお店を頼む…とか言ってたみたいで、最後まで甘やかして死んだんだなぁってところが気になったわ。まぁ母親だから娘が可愛いのはしょうがないと思うけど、結果あのカスみたいな性格になってたんじゃないのかよって。結局継がないまま落ちぶれていたし。

な~んにも考えなくても良いタイプの映画としては良かったかな。
何と言ってもアオザイ素敵だし。文化的な衣装って素敵だよなぁ。あとママが美人。
ふじこ

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