こた

シリアに生まれてのこたのレビュー・感想・評価

シリアに生まれて(2016年製作の映画)
4.2
国連UNCHR難民映画祭2017にて鑑賞。②作目


痛切な描写が続きすぎて、常に悲しくて仕方が無かった。
でもこれはフィクションではなくてドキュメンタリーであって、ましてや氷山の一角で、今この瞬間も映画に登場したような子どもたちがいると思うと、自分の無力を実感した。
なぜ小学校低学年程度の子どもが、生首を見たり、家を破壊されたり、両親が殺されなければならないのか。なぜ故郷を追われて、何千キロも歩かされなければならないのか。
どんな人生だ?

戦争はクソだし、市民、テロリスト問わずに街ごと攻撃する某国も相当だ。すっかり頭から抜け落ちていた。

一方で難民の受け入れ問題は非常にデリケートなものだ。
欧州の対応はそれぞれ違っているが、この映画で印象的だった台詞が、この問題へのアンサーだと感じた。

-「国境」とは、政治家が考えた中で最悪の代物である。-

国単位で考えるから、移民、難民排斥に繋がる。綺麗事とは思わない。
なぜなら今当たり前のようにこの生活を享受出来ているのは、ただ環境のお陰でしかなく、人間としてなんら違いは無いからだ。


ここまで語っておいて、恥ずかしながら僕は国連の募金活動に殆ど参加出来ていない。ただ決めている事は、社会人になって、身の回りの事全てを自活出来るようになった時、支援に携わろうと思っている。
間接的にでも、悲劇を最小限に防ぐ手助けが出来たら嬉しい。
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