Fitzcarraldo

シャーキーズ・マシーンのFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

シャーキーズ・マシーン(1982年製作の映画)
3.0
William Diehlの著書を原作に、Gerald Di Pegoが脚色し、Burt Reynoldsが監督・主演した作品。

タランティーノが本作を好きな作品と答えていたので、タランティーノを追っかけしていた大昔にDVDで買っていたのを久しぶりに見返す。

とにかくオープニングがクソほどカッコイイので、ここだけ見てもテンションがやっぱり上がってしまう。

"Street Life"
Performed by Randy Crawford

この曲の良さはもちろんなのだが、かなり遠くから少しずつ少しずつ寄っていって、歩くシャーキーをビッタビタにレンズの中に収めるのが北島康介なみに「超気持ちいい!」

これはタランティーノもジャッキーブラウンで使うのも頷ける。タラちゃんがピックアップするチョイスのセンスの良さに改めて脱帽する。

倍速視聴が流行ってるらしい若者には、是非ともオープニングだけは倍速にせずに通常速度で見てほしい。まぁあとは倍速でも問題ないけど…


バート・レイノルズが監督やってたのも今さら気づいたのだが…しかし彼にあのオープニングのセンスはあるのか?

撮影のWilliam A. Frakerのセンスに違いない。この人、めちゃくちゃ色んな作品を撮影してる巨匠だった。やはり撮影監督さえ良ければ素人監督でもそれなりのものにはなりそうだ。


女性を選ぶキャスティングセンスだけはバート・レイノルズは素晴らしい。

盲目の娼婦を演じたSuzee Paiもどえらい美しくて、あれだけ登場時間が少なくてもヒロイン級の印象を残したし、ドミノを演じたRachel Wardも同様にどえらい美しい。

自分の欲望をそのままカタチにできてしまうのが監督主演作の危ういところなのだが…普通に客観的に見ても、あんなジジイにあの美しいドミノ様が惚れるわけなかろうに…特に大したキッカケもなく、いつの間にか、いい感じになってるんですけど…WHY?

12歳から厳しく超高級娼婦に育てられたからというのが理由なら、ラストでドミノがシャーキーを手玉にとって、あっさりと裏切るのが見たいと思うのは私だけか。


あともう一点気になったのが…
Richard Libertini演じる盗聴のスペシャリストであるノッシュの家で、シャーキーとノッシュが少し口論になった時に、ノッシュの幼い娘さんがお休みの挨拶にくる。

父親であるノッシュは当然のように娘とキスをするのだが…シャーキーにも娘とキスをしろとノッシュ…一度断るシャーキーだが、ノッシュは、しろ!と凄む。

せめてほっぺに軽くチュにしてよと思ったら、思いっきりマウストゥマウスでキスをする幼い娘とシャーキー。

これは問題にならないのか?
小児性愛者のド変態の領域だろ?
現在の感覚だとそう見えてしまう。
普通に気持ち悪いと…

当然、挨拶のキスの文化がない日本で生まれ育ってきたので、文化というものを考慮して譲歩したとしても…やはり気持ち悪い。

ノッシュも父親の役としてるからギリギリ見れるが、それでも気持ち悪い。

ノッシュかシャーキーどちらかの実の娘が演じてた場合なら、まぁギリ許せるのかもしれないが…普通の子役をキャスティングして、ジジイ2人とキスさせたのなら…ちょっと恐ろしいなと思ってしまう。
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