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グレインのmasaのレビュー・感想・評価

グレイン(2017年製作の映画)
3.5
今のところ自分の観た映画の中で、『難解でよく分からなかったけどとてもよかったランキング』1位です。
全編シャーブなモノクロ映像で近未来の映像が美しいアート系SF作品。

監督は「ユスフ3部作」のトルコの巨匠セミフ・カプランオール。
主演は『グラン・ブルー』のジャン=マルク・バール。
母国トルコがシリア難民で溢れたように、作品の構想中に現実世界は激動し、その事象が映画に反映されていった。人類を救う特殊な麦の粒を探し求める旅は、難民問題やエコロジーというマクロな事象を経て、次第に人間心理を司る宗教や信念やエゴイズムといった内面の旅へと至る。

いつとも知れない近未来。種子遺伝学者であるエロールは、移民の侵入を防ぐ磁気壁が囲む都市に暮らしている。その都市の農地が原因不明の遺伝子不全に見舞われ、エロールは同僚研究者アクマンの噂を耳にする。アクマンは遺伝子改良に関する重要な論文を書いていたが、失踪していた。エロールはアクマンを探す旅に出るが………

この手のSF作品は案の定眠くなってしまったが、 そんなことどうでもいいくらい世界観がよかった。
家でとても濃いコーヒーを飲みながらゆっくり観たいです。

人類に対する強い危機感を感じるのは確かです。これも哲学的なアプローチでじっくり観賞したい作品。
息吹か穀物か・・・
深い。

★追伸
東京国際映画祭グランプリおめでとうございます。
グランプリ作品のチケットは前売りで購入できてたので、最終日(11/3)に2度目の観賞。
自分の予想ではグランプリは芸術観点でいったらこの『グレイン』、エンターテイメント、感動性でいったら『スパーリングパートナー』だと思っていました。
これでした……
難解な方か……
2度目なので説明が必要な点、疑問点はもちろんあるんだけど、それ以外は楽しんで観れました。あと3回位は観たい(笑)
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