アピチャッポンの大トリ作がむしろ穏健に見える四話構成。
『十年 Ten Years』香港&日本版よりのどかとの前評判も見たがとんでもない。
軍人が写真展の撤去を命じる冒頭作、
公安猫が人追い詰めるSF作の軍政批判は元より、
女王が新興仏教率いて支配とかタイなら誰でもモデルがわかるヤバすぎ作。
『十年 Ten Years Thailand』は東京国際映画祭にて鑑賞。本作プロデューサー登壇の上映後Q&A概要こちら→https://2018.tiff-jp.net/news/ja/?p=50982
ちなみに政治的検閲同様に商業的選別を問題視する最後の良質問、実は会場にいたフィリピンのキドラット・タヒミック監督(『それぞれの道のり』『500年の航海』)による。
過去禁止されたアピチャッポン作よりよほど現政権や王室・仏教への批判に満ちた本作のタイ一般公開は喜ばしいものの、そう単純ではない一面も。脱軍政が権益回復になる陣営・財閥系による文字数
タイ公開模様の画像ツイ: https://twitter.com/pherim/status/1075359454206390272
タイ本国での『十年 Ten Years Thailand』公開1週目。バンコクの独立系だけでなく、シネコン両大手Major CineplexとSF Cinemaがともに全国6館展開。本作の軍事政権、王室、仏教界への嘲弄ぶりに比べたら、ずっと穏和なアピチャッポン“anthem(国歌)”や『世紀の光』への検閲って何だったかと。時代かな。