sonozy

十年 Ten Years Thailandのsonozyのレビュー・感想・評価

十年 Ten Years Thailand(2018年製作の映画)
3.5
オムニバス形式で10年後の自国を描く「十年」プロジェクトのタイ版は、アピチャッポン・ウィーラセタクン統括のもと、彼を含む4人の監督によるオムニバス。

①『Sunset』アーティット・アッサラット監督〈表現の自由への圧力。ある写真展への検閲〉
②『Catopia』ウィシット・サーサナティアン監督〈猫人間に支配されたユートピアならぬ"キャットピア"で、最後の生き残りの人間は..〉
③『Planetarium』チュラヤーンノン・シリポン監督〈独裁者の女帝がすべてをコントロールするシュールな世界〉
④『Song of the City』アピチャッポン・ウィーラセタクン監督〈銅像の立つ工事中の公園で語り合う人たち〉

①は検閲を受けた女性写真家の苛立ちと、関係なさそうな素朴なカップルの組み合わせの妙。
②猫人間(頭部が猫)たちが、人間の姿のままの男を2年も仲間と思っていたという謎。笑
③は個性強すぎ。シュールでサイケな世界観がクセになりそう。
④のアピチャッポン監督作は何を伝えたいのか分からないのが魅力?

『十年(香港)』『十年 Ten Years Japan』の未来への警戒感・恐怖感に比べると、4作品の印象もバラバラ、面白/脱力テイストあり、読後感も拡散気味な感じなのが、アピチャッポン統括の狙いでしょうか?
sonozy

sonozy