映画 あいあい傘
良かった、久々に映画館で泣いた
倉科さん目的で観に行ったが演技が圧巻だった、でもそれだけじゃなかった
簡単に言うと25年前に姿を消した父親(立川談春)を探しに主人公である娘(倉科カナ)がある町にやって来るというストーリー
それだけなら鼻水を垂らしながら泣かなかったと思う
序盤はその町の人達をコミカルに描きながら、元家族の過去をモノクロで少しずつ挿入していく感じ、過去背景と真実を徐々に明るみにしていくのが一つ
なかなか話の本題に入らずひたすらその町の人達を紹介する前半と、人のやり取りが所々舞台のような絶妙な雰囲気とテンポがあったのが一つ
前半の丁寧な描写からの主人公の登場、中盤から一人加わる事でストーリー(その町)が動き出す
主人公がその町の人達に触れる事で揺れ動き、抱いていた思いとの葛藤
素人が偉そうに言う事じゃないけど地に足付いた、しっかりした作品作りが物凄く伝わってくる、しかも押し付けがましさもなく
登場人物を生み出したら紹介をして生き抜かしてあげる、人物を丁寧に描くことで言動に説得力を持たせる、作品として大切な事が伝わってくる、しかも生き抜けるということは俳優さん達の素晴らしい演技が一層引き立つということ
倉科カナさんだけでなく市原隼人さん、高橋メアリージュンさん、やべきょうすけさん、立川談春さん、原田知世さん他の素晴らしい演技を堪能できる
それぞれの登場時間を比較しても大差ないと思う、そういう意味でもリアル
舞台で活躍されている宅間孝行さん監督脚本だから登場人物愛も深いんだと思う
父娘の再会の時間帯とか予告観た予想とは違ってた、その構成も意味がある
父親、娘、内縁の妻、その娘の心情も繊細に描かれてた上での人物の絡みも秀逸
繰り返しになりますが素晴らしいストーリーを引き出す作りが心にしみる良作でした