ちょっと調べただけでも史実と大きく違うところが幾つもあり、とても「伝記」「実話」とは呼べない作品。
ヴァンサンの演技は良いし絵も綺麗なのでゴーギャンをモチーフにしたフィクションとしてなら楽しめる作品だが、これを伝記と堂々と銘打ってはいけない。
気になる人はウィキでいいのでちょっと読んで見る事を薦める。
それにしても女癖の悪さは見事でおまけにロリコン。
テフラは13歳。映画では感動的に別れてるが、その後パウラ14歳、ヴァエホ14歳を現地妻としている。2人ともゴーギャンの子を産んでいる。
タヒチが植民地であることや時代を考慮すると、果たして妻としていた女性にどれほどの愛情を持っていたのかはかなり疑問が残る。
本妻ともなんか涙ながらに美しく別れているが、タヒチにいた時はまだ離婚しておらず、帰ってから金銭問題で後々までもめて争っていたそうだ。
今作ではゴーギャンという芸術家を盛って「苦悩する優しい人」に仕立て上げているのでそれほど罪は無いのだが、これと同じ手法を今でも国や政治家が好んで使い、恐ろしいことにコロッと騙される人が多いということを忘れないようにしたいものだ(おっと、愚痴になってしまった)