ちゅう

レイニーデイ・イン・ニューヨークのちゅうのレビュー・感想・評価

4.4
歌声が美しいアンニュイイケメン・ティモシーシャラメとミス破壊力のある笑顔かわいいおバカちゃん・エルファニングが織りなす小粋でちょっと笑える雨のニューヨーク。


めっちゃよかった。


ミッドナイトインパリもそうだったけど、ほんとの自分を見てくれない軽薄な女の子と別れて自分を理解してくれるミューズと歩き出すっていう大枠、ウディアレンてある種の女性に恨みでも持ってるのかね。
まあ、わからないでもないけど笑


ティモシーのあの陰鬱で鬱屈した気分でおしゃれな街を歩く感じ、なんかわかるなあ。
あんだけ歌がうまくてギャンブル強くてお金持ちの息子だったらモテない訳なくてもっと全能感があっても不思議じゃないんだけど、それでも自分を見てもらえていないっていう感覚がつきまとうの"知性"って感じがしてよかった。
ストーリーオブマイライフでは見た目以上のかっこよさを感じなかったけれど、この映画のティモシーは抜群にかっこいいと思う。

エルファニングは初めて見たんだけど、静止画では分からない魅力があった。
笑顔と所作が、セクシーさを感じさせるというよりは気分を明るくさせる。
熱狂的なファンがいるのも納得。


ウディアレンの映画のセリフって、脳を刺激する哲学的な言葉というよりも"やっぱり人生ってそうだよね"っていう含蓄のある言葉でいちいちうなづいてしまう。
ティモシーと母親の会話、とりたててすごいことを言っているわけではないかもだけどあの成り行き、タイミングで言われたら人生の奥深さを感じないわけにいかないし、それで母親の評価を上げるのかっこいいよ。

最後のシーンはよくよく考えるとなんでやねんってツッコミたくなるんだけど、これもウディアレンマジックだと思おう笑


ウディアレンはセリフを矢継ぎ早にまくし立てるしまどろっこしいんだけど、その世界観は素敵でふわっと気持ちよくさせてくれる。
今回もおしゃれにならないわけがない雨のニューヨークを舞台に、いい映画を観たなっていう浮遊感の伴う余韻を味わうことができた。
ちゅう

ちゅう