ハル

こどもしょくどうのハルのレビュー・感想・評価

こどもしょくどう(2017年製作の映画)
3.3
ほっこりした気分になりたくて、セレクト。
ただ、思いの外切り口が深く、考えさせられる描写も多かった。
特にいじめ問題やネグレクトに関するシーン。

こういう問題には、やはり子供を一人で立ち向かわせてはいけないなと感じるものの、具体的に解決するのは難しいよね…
正論や綺麗事で解決できる事柄ではないからこそ、周りの助けって本当に大切だと身にしみた。

核家族中心な時代となり、孤立するのが当たり前になりつつある今だからこそ、周囲が異変に気付く環境の構築や地域的なコミュニティって価値があるものなのかもなぁとしみじみ。
親権や強制力の関係で行政が本格的に動くにはやはり一定の事実要件が必要となってしまうし、その前に食い止められる世の中になってほしい。

『町内会や近所付き合い』の制度に関しては、前時代的な部分も多くどちらかというと否定派だったけれど、自分にとっての『気付き』がいくつも存在する作品となった。
最後の女の子が海で歌うシーン。
お母さんを思いながらの歌唱に😢

常盤貴子と吉岡秀隆の食堂の夫婦も良かったなぁ。子役以外で知名度のある役者は二人だけの出演ながら(と思ったら回想の母親は石田ひかり、父親が降谷建志だった)、普遍的な魅力を今作でも発揮している。
商業主義ではない作品にこういった実績のある役者さん達が出てくれるのも嬉しいポイント。
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