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ゲティ家の身代金のmanacのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
2.0
実話の映画化のせいか、全編を通して地味でした。
一応主役はミシェル・ウィリアムズ演じる誘拐されたポールの母親ゲイルらしいが、その心情の描かれ方が薄く今一つ感情移入できない。
他の登場人物も客観的に描かれすぎているので共感が持てずに目の前を通り過ぎていく感じ。

公開前の触れ込みではゲイルが息子を救うために誘拐犯と義父の双方と戦うみたいな話だったので、知略を巡らせ巧みな交渉でも行うのかと思っていたが、そんなことは全くなかった。
どちらかって言うと流されているだけ。
賢く堅実な女性には見えたが、それはミシェルの演技のたまものではなかろうか。
ゲティから交渉を任されてやってきたチェイスも、何しに来たんだか謎。全然交渉していないし。ゲティに嚙みついただけ。
唯一ポールに同情的だった誘拐犯のチンクアンタが最も人間らしかったかもしれない。


役者の個々の演技はなかなか魅力的ではあったが、もう少し登場人物の心情を掘り下げて描いて欲しかった。
また、実話に忠実ではなく多少フィクションも織り交ぜているらしいことが最後に字幕表示されていた。
どうせ脚色してるんならもっとサスペンスフルにしてドキドキハラハラさせて欲しかったなー。
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