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ホワイト・ボーイ・リックのtheocatsのレビュー・感想・評価

ホワイト・ボーイ・リック(2018年製作の映画)
3.2
実話ベース。1980年代アメリカデトロイト舞台

16才の麻薬王とあるから、てっきりさぞかし太々しい白人少年ギャングかと思ったら全然違う。
以下ネタバレかも





14才の時に父親が手掛けた違法改造ライフルを黒人ギャングに売りつけ、そのライフルによる殺人事件が起きたために弱みを握られ、FBIと市警の「情報屋」となるよう仕込まれ、組織に深く入り込むためにコカインの売人にまでさせられ、そのために17才の時に重罪の終身刑を課せられたという理不尽な話。

ハード描写という印象はなくかなりソフト寄り。
クライムドラマというよりもホームドラマの側面が強く、ヒリヒリするような肌感覚的な痛みが生じることはなく、感情が激しく動揺するということもない。
何より少年側にほとんど同情できなかったというのが痛かった。
情報屋としてのコカイン販売の他に、それより大きな麻薬取引を「自主的に」しちゃってるからね。

しかし、黒人の女の子との間に出来た娘をちゃんと認知し、育てようと一生懸命だったというのはポジな印象となったけど、そのための手段がヤクの売人ではね・・

エンドテロップで30年服役でようやく仮出所されるとのことで、それは良かったとは思う。
映像特典で実際の犯人の映像やコメントを見たけど、映画の俳優が演じたまんま大人しそうな感じで、いろいろ巡り合わせが悪かっただけなんだなぁとそこは同情心が湧いてきた。
「普通の家庭」で育っていれば大学行って、普通の人生を送れたのかもしれないなと。

そんな付録ばなしは別として、映画としては並の上といったところ。
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