FREDDY

マイ・ラスト・ラブ~私に残った愛を~のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

チン・グァンギョ監督によるドラマ作品である本作は、家族のために昼夜建設現場で働き、その上、自分を部下のように働かせるチョウ理事によって家族と過ごす時間をことごとく奪られる毎日を過ごしていたキム・ボンヨンと、そんな事情も知らず夫に不満を抱える妻・ファヨン、期待されながらも成績不振に悩む長男・ウジュ、学校へも行かずに音楽活動に夢中になっている次女・ダルニム、そしてボンヨンの唯一の理解者で心の拠り所でもある末っ子のビョルニムら家族が、家族想いながら無愛想で愛情表現が苦手な父親のボンヨンが末期がんと診断されたことをきっかけに、残されたわずかな時間の中で互いに理解し合いながら家族の大切さを振り返っていく様を描いたものとなっているのだが、まず言いたいのは、本作はすごくもったいない作品でしたね。というのも、内容としては病気を題材に、壊れかけていた家族の再生を普遍的に描いたものとなっているも心を揺さぶるシーンはしっかりと映し出されていますし、ボンヨンを演じたソン・ジルやポンヨンの妻ファヨンを演じたチョン・ミソンの演技もとても良く、末っ子のビョルニムを演じた子役のイ・イェウォンもまた愛らしくて印象的だったのだが、長男のウジュを演じたホンソクの演技はお世辞でも上手とは言えないもので、父親とのエピソードもお酒を飲みかわすのみ。あまり意味のある役には見えなかったですね。そして次女ダルニムを演じたクォン・ソヒョンに関しても演技は決して悪くはないが何度も映し出される歌唱パートがあまり魅力的に感じず、歌唱力というよりは表現力の問題なのかもしれませんね。メッセージ性のある歌詞で涙ながらに歌うも心に響いてきませんし、やはりエピソードが薄い。もう少し家族が残された時間を寄り添いながら過ごしていく様が見てみたかったですね。あと、終盤で映し出されるボンヨンお手製の食卓テーブルを囲んでの家族の会話のシーンも間の取り方がわざとらしかった点も気になるところで、せっかく"テーブルの下のお化け"という泣き所を用意していながら助走で躓いている印象で、本当にもったいなかったですね。ソン・ジルとチョン・ミソンの演技があってようやく成り立っている作品といったところですかね。
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