ろく

名前のない女たち ~うそつき女~のろくのレビュー・感想・評価

1.9
90年代のピンク四天王と言えばサトウトシキ、瀬々敬久、佐藤寿保、佐野和宏だけど正直、(全て見たわけではないが)瀬々意外は当時納得いかなかったのを覚えている。

もうとにかく、エロくない。いやエロ見にっているわけではないからいいんだよ(いややっぱりそんなことないか)。まあそこは目を瞑る。ただもう一つある。それは純文学臭さなんだ(しかも売れない)。海燕とか文学界あたりで載っている初版3000部のような感じ(いや文学フリマで売っている感じか)で見ていても何も楽しくない。そこが当時納得いかなかったんだよ。神代や田中登は圧倒的に「楽しい」のにねえと。

で今作。実は原作であるとこのインタビュー集も読んでいる(これは面白い)。でもそれを映画にしたらなんと陳腐な物語になるんだろうと頭を抱えてしまった。しかも監督が思いつきなのか思わせぶりなのか知らないけど原発ネタを入れたり、障碍者殺傷事件を入れたりあるいは急に死んだりと……適当にモザイクのようにエピソードぶっこめばそれっぽくなるんですよ……じゃねーよと不満を言ってしまおう。いやこれは駄作ですよ。監督のただの自己満足(あるいは自慰)でないかと思って見てしまった。

さらにポルノとしては肝心の濡れ場が暗すぎる。これは技術的なものでないかい。そんなのもしっかり撮れないのか。いやそこに監督の意図があるかもしれないけど、意図は伝えなければただの自慰なんだよ。

というわけで申し訳ないけど酷評です。「誰かに見せる」ものなのに自分だけが満足するとしたらそれは同人誌でやってくれといいたい。
ろく

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