マーくんパパ

ミッシングのマーくんパパのレビュー・感想・評価

ミッシング(1982年製作の映画)
3.9
実在事件に基づき某国の軍事クーデター直後に行方不明になったアメリカ人の安否を追う父と妻を描いたコスタ・カヴラス監督のカンヌ映画祭グランプリ作品。コメディ俳優色の一切ないジャック・レモンが凄い。親の反対押し切ってアメリカを出て行った若夫婦へのわだかまりから嫁に冷たく当たる父親、遅々として調査の進まぬ大使館への不信感苛立ち、親として妻として生存を願う切ない想いは同じ事に気づき寄り添い始める2人の距離etc、コレらの起伏する感情を見事に演じ分ける熟練レモンが素晴らしかった。戒厳令下の緊迫感は過去の作品歴より得意中の得意分野のコスタ演出、失踪からは次第にアメリカの陰謀がチラつく怖さが加わって息を飲むドラマ展開でした。