Reina

ナショナル・シアター・ライヴ 2018 「ジュリアス・シーザー」のReinaのレビュー・感想・評価

4.5
始まるやいなやロックバンドのコンサート会場。何が始まるのかと思ったら、既に始まっていた。

1階席には座席がなく、コンサートのアリーナ状態。そこにいる観客は、床からせり上がるステージとどこからともなく登場する役者たちに翻弄されながらの鑑賞になる。鑑賞というより参加。観客というより劇中の聴衆。じっくり見たい方は2階席で。
観客を誘導するスタッフまでも役者の一部なのには関心する。この辺りの作りが上手すぎる。

始めのうちは、舞台に近い観客の表情とかが気になってしまったけれど、役者の熱量(と台詞の量)に圧倒され引き込まれていた。

原作を読んでないと解らないかな、と心配だったが、話にはついて行けたので良かった。
不意に有名な「ブルータス、お前もか」が出てきたり、大好きな『The Fault in Our Stars』のタイトルの元になった台詞(邦題『きっと、星のせいじゃない』は完全に意味を履き違えています)が聞こえたときには謎の感動を覚える始末。

自分もアリーナで翻弄されたい。
人生で一度でいいからこんな体験してみたい、と強く思った。
Reina

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