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1987、ある闘いの真実のnabiのレビュー・感想・評価

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)
4.7
史実に基づいた映画。息をするのも忘れてしまうほどのパワーと熱量を感じる映画。

自分が生まれる前の話とはいえ、すぐ隣の、こんな最近の歴史を知らずに生きてきたことを恥じた。

時代背景も歴史も失礼ながらほぼ知らなかったが、無知でも内容は理解して見れた。そしてもっとこの時代を知りたくなった。それはきっと、この辛く目を背けたいような事件の中でも、そこで熱く立ち上がる人たちも同時に描かれていたからだろう。

映画では、デモに懐疑的な役どころをキムテリが演じている。現代の日本を生きる私たちはきっと彼女に共感しながら物語を見進める場合が多いだろう。それでこそ、この事件の1番辛く悲しい事実に向き合うことができる流れになっていて、素晴らしい脚本だった。
また、作品の中で、加害者の名前は唯一本名をそのまま使っているらしい。事件と見つめ合い、二度とこんな事を起こさせず風化させないという、とめどない熱意を感じる。

エンドロールには実際に当時の写真が流れる。衝撃的でショックで、気づいたら涙が溢れてた。

誰も何も犠牲にせずに、自由を獲得することはできないんだろうな。韓国の歴史を知るたびに、似て非なる国だと改めて知る。
自由を自分たちの手で勝ち獲った国なのだ。だからこそ今でも政治へ熱く、厳しい。

無知でいることを恥じる映画だった。
この時代を描いている映画は少ないらしい。
勉強して、タクシー運転手も見ようと思う。
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