※鑑賞予定の人はFilmarksのあらすじ読まない方が良いと思います。
鑑賞後に読んだら、悪い意味で上手くまとめられすぎてる≒ネタバレしすぎてて驚いた
予備知識ない方が映画を味わえると思います
てことでこのレビューもスルー推奨です
『悪いやつら』で好きになったハ・ジョンウ目当て
+社会派映画観たくて借りたら
とんでもない重厚な作品だった・・・・・・・・・。
1987年 1月〜6月の韓国民主化抗争を描いた作品。
韓ドラにハマって韓国の現代史の本も読んでたけど
自分まだまだ何も知らないなと思った💧
拷問致死を隠蔽しようとする警察組織 その上層部と末端の警察官、
警察や上司からの脅しに全く屈さず真っ向から対立し、
闇に葬られかけた不審死に"原則通り"対処した検事、
真実を暴く刑務所の看守たち、学生運動を行う大学生たち、
新聞記者、市井の人々etc
全ての人が主人公だった。
出演分量の差はあるけど、本当に全員が主人公。
事前にさらーっとしかあらすじ読まなかったから
拷問致死事件についての映画なのかと思ったけど、
事件は思いの外無事スムーズに世間に暴かれ、
民主化抗争が描かれていった。
事件は始まりだったんだね。
これがたった36年前(親生まれてるし!)に
隣国で起こったことだなんて信じられない・・・
ラストシーンは『レ・ミゼラブル』さながら。
この映画を作ろうと思った心意気が凄いし
そしてこんな素晴らしい作品に仕上げたの偉大すぎる。
韓国エンタメ天晴れ。
で日本でも性質は違えど学生運動とかあってたわけだし、
ちゃんと自分が住んでる日本の社会派作品も
観ないといけないなと心から思った。
良作あるかな?探そ。
内容が素晴らしいのはもちろん<作品>としても
文句の付けどころなし。
拷問シーンのしんどさを除けば(例によって天井見てた...)
重厚だけど観やすくてノーストレス。
あの"良質な社会派作品そのもの"って感じの映像の質感。
俳優陣の演技も素晴らしかった。
カン・ドンウォンとキム・テリの淡い淡いロマンスは
この映画のシリアスさに水を差さないちょうどよさだったと思う。
スニーカーのショットは、終始地に足をつけて実録に徹してるこの作品の中で唯一映画らしさを感じられて良かった😭👟
2人を繋いだものなのに最後は...😭
民主化抗争に引き裂かれた恋もあったんだろうな、
と思いを馳せることもできたし良い要素だったと思う。
カン・ドンウォンと言えば、この映画の救世主らしい。
朴槿恵元大統領の文化界ブラックリスト事件の時期に
この映画を制作してたからいろいろ難航してたけど、
カン・ドンウォンの出演が決まったから
投資家が集まったらしい。素晴らしいね。
(出典はnamuwiki: 1987(영화) - 나무위키)
そして目当てのハ・ジョンウ!!!!!!
予想外に出演シーンが少なかったけど、
インパクト絶大だった。最高にクールな駄犬😎
終始パク所長始め警察への煽りが美味しかった。
(父親が)「ソウル大生の息子を遺体も見ずに火葬させるか?」
とすぐ不審さに気付いて、
闇に葬られかけた事件の真実を追求した正義漢。
韓国作品ろくな検事いないから心から感動したwwww
お酒携帯して勤務中に堂々と飲む酒カスなんだけど
「酒は空きっ腹に限る」 ってセリフが良すぎて刺さって抜けない・・・私のこともらってくれませんか?
スニーカーのショットが映画らしくて良かったと上述したけど、パク所長の胡桃のショットも映画らしくて良かった。
謎に胡桃握るシーン映るなと思ってたら、
ハ・ジョンウの📞「北訛りは直せ 金日成かよ」
って煽りを受けて胡桃を握り潰す。
やはり脱北者にとって痛点なのかと感じられてよかった。
ハ・ジョンウの軽快な煽り最高でした。
そしてめちゃくちゃ興味深いことが!
記者会見でのパク所長のあの
“조사관이 책상을 '탁' 치니, '억' 하고… 어?”
「捜査官が机を'タッ'と叩いたら'オッ'と死んでしまった...え?」
という他に類を見ないほど愚かな発言について、
namuwikiにめちゃくちゃ興味深いことが書かれてたので引用。
🔗 1987(영화)/등장인물 - 나무위키
「実は「え?」という台詞はキム·ユンソクが試写会で自身のアドリブだと明らかにした。 残った台詞を全て言わなければならないのに本人自らも腹が立って呆れて言葉が詰まったがやっと吐き出した言葉が「え?」という。
キム·ユンソクはあの「'タッ'と叩いたら'オッ'と死んでしまった」という見出しを直接目撃した世代だったので、そうでなくてもこのようなことが発生したということに戸惑いを隠す方法がなかったが、それに加えて30年後に自分がその言葉をそのままにする日が来るとは全く想像もできなかったという。
それでもどうせ誰かはしなければならないことであり、どうせ配役を引き受けるなら最善を尽くしてその時代と人物の考証に忠実でなければならないので熱心にしたが、
それでも実際に撮影に入った時は怒りと荒唐無稽さを隠すことができなかったのだ」
らしい・・・。
いやほんとあのシーン見た時このおっさん(パク所長)ふざけてんのか・・・?
って思ったもんね。
演者もそんな気持ちだったんだと興味深かった。
namuwikiは深掘りに本当に役立つ。
この映画ではハ・ジョンウが演じたチェ検事や
刑務所の保安係長はヒーローに見えたけど、
namuwikiを読んだところ時代が時代だったからこの2人にも負の側面はあったらしい。
崇め奉るところだった。いろいろ読んどくもんだね。
DVDで観る機会があったら是非観てほしい!
特典にメイキングが収録されててこれがまた良かった。
重厚な作品故に鑑賞後は少し重い気持ちになったけど、
メイキングで無邪気にあっけらかんとナレーションする
キム・テリの可愛さに救われた😂🩷
だし俳優陣や監督のコメントも聞けて良かった。