諦めずに、生き残ること
原題は「Die Unsichtbaren」で「目に見えない」ですが分かりにくいです。
邦題の「ヒトラーを欺いた黄色い星」もヒトラーは出てこないので、
邦題に釣られて鑑賞すると期待外れになります。
現実は、映画のように単純ではなく、複雑です。
ベルリンで生き残ったユダヤ人は、実力でも、運でもなく、
諦めずに、生き残った人々です。
虐殺されたユダヤ人は、生き残ることを諦めてしまった人々です。
パワハラ、セクハラ、いじめを受けて、生き残ることを諦めて
自殺しても何も価値はありません。
大成建設の社員で、現場監督をしていた23歳の青年に、納期を優先して、
新国立競技場の建設工事を行うように命令し、知っていて、自殺に追い
込んだ人々は、何不自由することもなく、自由に生きています。
NHKの社員で、佐戸未和さんに、都議選と参議院選を取材するように
命令し、知っていて、死亡に追い込み、事実を隠ぺいした人々は、
何不自由することもなく、自由に生きています。
大東建託は、20代、40代、50代の社員に仕事を命令し、知っていて、
自殺に追い込んだ人々は、何不自由することもなく、自由に生きています。
電通の社員で、大嶋一郎さんや高橋まつりさんに仕事を命令し、
知っていて、自殺に追い込んだ人々は、何不自由することもなく、
自由に生きています。
日本政府の政治家、財務省の官僚で、財務省近畿財務局の赤木俊夫に命令し、
知っていて、自殺に追い込んだ人々は、何不自由することもなく、自由に
生きています。
自殺したところで、何にもならないということを学び、自殺すべきでは
ありません。
ベルリンには、危険を顧みずにユダヤ人を助けたドイツ人はいました。
日本には、自殺した人々を助けようとした人はいるのでしょうか?