ノリック007

ヒトラーを欺いた黄色い星のノリック007のレビュー・感想・評価

ヒトラーを欺いた黄色い星(2017年製作の映画)
5.0
諦めずに、生き残ること

原題は「Die Unsichtbaren」で「目に見えない」ですが分かりにくいです。
邦題の「ヒトラーを欺いた黄色い星」もヒトラーは出てこないので、
邦題に釣られて鑑賞すると期待外れになります。

現実は、映画のように単純ではなく、複雑です。

ベルリンで生き残ったユダヤ人は、実力でも、運でもなく、
諦めずに、生き残った人々です。

虐殺されたユダヤ人は、生き残ることを諦めてしまった人々です。

パワハラ、セクハラ、いじめを受けて、生き残ることを諦めて
自殺しても何も価値はありません。

大成建設の社員で、現場監督をしていた23歳の青年に、納期を優先して、
新国立競技場の建設工事を行うように命令し、知っていて、自殺に追い
込んだ人々は、何不自由することもなく、自由に生きています。

NHKの社員で、佐戸未和さんに、都議選と参議院選を取材するように
命令し、知っていて、死亡に追い込み、事実を隠ぺいした人々は、
何不自由することもなく、自由に生きています。

大東建託は、20代、40代、50代の社員に仕事を命令し、知っていて、
自殺に追い込んだ人々は、何不自由することもなく、自由に生きています。

電通の社員で、大嶋一郎さんや高橋まつりさんに仕事を命令し、
知っていて、自殺に追い込んだ人々は、何不自由することもなく、
自由に生きています。

日本政府の政治家、財務省の官僚で、財務省近畿財務局の赤木俊夫に命令し、
知っていて、自殺に追い込んだ人々は、何不自由することもなく、自由に
生きています。

自殺したところで、何にもならないということを学び、自殺すべきでは
ありません。

ベルリンには、危険を顧みずにユダヤ人を助けたドイツ人はいました。
日本には、自殺した人々を助けようとした人はいるのでしょうか?
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