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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のdramaticgasのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ポップカルチャーとスペースオペラの融合の最適解という映画史に残る発明を成し遂げたシリーズを、MCUが生み出した最高のキャラクターの物語で締め括る、(創造主)ジェームズ・ガンのキャラクターへの愛が惜しみなく注ぎ込まれたベスト完結編(ラストギグ)ムービー。

1作目のGotG公開前はマーベルコミックのマイナーキャラクターにすぎず、(声だけなので)ハリウッドスターブーストもそれ程期待できない状態から、MCU屈指の人気キャラクターとなったロケット・ラクーンは、ジェームズ・ガンと彼のチームが1本の映画の為に創り出し、ブラッドリー・クーパーとショーン・ガンが魂を吹き込んで、シリーズを通してファンが育てた、純MCU産キャラクターの最高傑作と言える。同時にロケットは、(本人が語るように)ジェームズ・ガンの分身でもある。だからジェームズ・ガンが自らの代表作のフィナーレを、濃厚ガン味(オルゴコープのトロマ的でクレイジーなデザイン!)なロケット(creep)の物語にしたのは必然だったのだろう。

凡百の完結編のように安易に主要キャラクターの死によってストーリーを締めくくることを選ばず、それぞれのキャラクターが成長し(だからこそ)ありのままの自分(と仲間たち)を受け入れていく本作の結末は、ファンにとっても理想的なシリーズの終わらせ方ではあるけど、(敢えて高難易度の終わらせ方を選んでくれたという意味でも)ジェームズ・ガンには足向けて寝れないっス!ってなった。

(かつて愛し合ったガモーラとは違う)今のガモーラを認め、地球人としての自分を認めたクイルも、(過去を受け入れ、現在の自分も受け入れることで)そのクイルから託されてガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのキャプテンとなることを選んだロケットも、ガーディアンズと絆を築きながらもラヴェンジャーズの元に帰る(しかもラヴェンジャーズも彼女のことを待っていた仲間であったことがラストで明らかになる)ガモーラも、マンティスもドラックスも全キャラクターが素晴らしい着地を見せるなか、個人的に特にグッときたのはネビュラだった。ヴィランであったネビュラはシリーズを通して最も大きく成長したキャラクターとなり、(5年間2人でガーディアンズを守った戦友である)ロケットの復活に涙し、ドラックスは今も根っからの父親であることを認めてノーウェアに残るように頼む。彼女はガーディアンズの一員であり、今やノーウェアに住む人々のリーダーなんだと思うとハートが震えた。

ジェームズ・ガンのパッションは、ガーディアンズと対峙するヴィランにも(マイナス方向で)注がれていて、ハイ・エボリューショナリーはMCU史上屈指の最悪ヴィランに仕上がっている。強大なパワーを持ち、壮大な理想を掲げながらも器が小さいという、実はこれまでのMCUで最もアメコミヴィランらしいキャラクター造形(チャック・イウジが最高で最悪)がとにかく素晴らしい。

久しぶりに剣技を披露するガモーラは勿論、クラグリンからコスモ、果てはメカ(ボウイ)まで全員に見せ場があるとか、アダム・ウォーロック=金ピカなウィル・ポールターとか、最高なポイントが無限にあるので全人類100回観るべき!

取り敢えず、俺には I love you guys. って聞こえたけど、お前らはどうだい?