あおき

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のあおきのレビュー・感想・評価

3.7
マァ〜〜〜〜ラストの方は正直ビシッと締まったかと言われると微妙だが、最近クソつまんない作品を乱射してるMCUの中ではかなり楽しく観れたと思う!


⚠️奥に進むにつれてネタバレあり⚠️



「創造主と不完全な息子たち(人間)」という宗教テーマがかなり露骨に扱われてたのかなと感じる。他の神様ヒーロー映画でほぼ宗教観に触れてこなかったのもあり、かなり良かった。

このシリーズにはたくさんの「不完全な者」が登場する。じゃあそんな「不完全な者」は「ふつう」に蔑まれたり、排除されたりしても当然なのか?その者たちの価値とは?…いや、そもそも何をもって「ふつう」なのか??
そんなテーマが宗教モチーフも交えながらそこそこ真面目に(一方でかなりふざけて)描かれていたと思う。



⚠️ここからバレあり



ロケットを未熟な生命体であるとして切り捨てたハイエボ。しかしロケットの閃きという価値は、いかに完璧な生命が生まれようとも得られない物だった。

同時に、ドラックスをボケナスと見做してあしらうネビュラ(達)。でもそんなドラックスも言語や父性といった、他のメンバーが持てない優れた価値を秘めている。

さらにさらに、地球(カウンターアース)をまるごと未熟だと見做して処分しようとするハイエボ。人類はみな完全ではないから、不完全を排除してしまうと…という終末を地でいく展開。

テーマが見えてくるとここらへんの描写が全てハッキリと繋がりだす。なかなか考え抜かれているような脚本なんじゃないでしょうか、、、。



⚠️



特になんと言っても…役立たずとして創造主に見放されたアダム・ウォーロックが英雄としての命を吹き込まれる瞬間を「アダムの創造」に重ねたシーンは、なかなか面白おかしくも巧かったな。
MCU随一の神系ウンチ映画こと「ラブ&サンダー」は見習った方がいい。


***


ギャグは当然ボケナスすぎて面白い!!んだけど「ラブ&サンダー」を観た後だと、フィクションの中でギャグをかっちり成立させるのって結構ムズイんだなと思ったから、それをしっかりこなしてくるジェームズガン監督は凄いよねと思った。
と同時に、監督自身の偽善や露悪を感じてノりきれないシーンがそこそこあったかな正直。キャンセル騒動があったからって訳じゃあないけどさー。



⚠️



あとは何より、公開前からドラッグス退場の噂が流れたり、劇中でもみんながみんな死亡フラグを立てていたのに、誰も死なずにただの見せ場で済んだというのはまじで良かった〜!!ロケットの過去が後付け設定とはいえかなりしんどかったので、これで既存キャラも死んでたら辛かった。
MCUは時折「誰か殺さないと感動シーン作れないのかな?」と感じるが、それを打破したのはデカい。
あおき

あおき